SoUnD~僕らの世界~
PART 2
朝、太陽がカーテンの間から俺の部屋を覗き込んだ。
布団の中で一睡もしないまま迎えた朝は、一日の始まりというものをハッキリとは教えてくれない。
いつの間にか来てしまった朝。
今日、未那にどんな顔で会えばいいんだ?
あ、そうか。
未那はあの場所に俺がいたことを知らない。
未那にとっては、何も変わらないいつもの朝なんだ。
俺だけだ。
いつもと違うのは。
制服に着替えて、朝飯を食って、カバンとギターを持って家を出る。
ここまでは同じなのに、俺の気持ちは全然違ったんだ。
バス停に着く。
三分後に俺が乗るバスが来た。
未那が乗っているバスでもある。
バスに乗り込み、未那がいるはずの席に行く。
「あ、おはよう。雅、くん。」
「くん、いらないって。」
「意地悪しただけよ。はい、どうぞ。」
そうやっていつも自分の荷物を隣の席からどかせて、俺を座らせてくれる。
未那は、いつもと同じなんだ。
「・・・ありがとう。」
「いえいえ。・・・どうかしたの?」
「え?」