SoUnD~僕らの世界~
「目の下。クマができてるよ?寝てないの?」
「あぁ・・・。ギターの練習とか歌の練習とかで。」
「そっか。大変だね。無理しない程度に頑張ってね。」
「・・・・・・」
「・・・あれ?私何か変なこと言った?」
全然、未那は変じゃない。
俺が、変なんだ。
「未那・・・」
「何?」
「昨日、ファミレスにいたよな・・・。」
俺がその言葉を言った瞬間に、未那は目をキョロキョロとさせ始めた。
あきらかに、動揺していた。
「あの男の人って・・・」
「・・・彼氏、なの。」
俺はつくづくバカだ。
そんなこと、わかってたはずなのに、なぜか未那の口からそれを聞くと、俺の心に何かが刺さったようにチクリと痛んだ。
「そっか。かっこよかったな。」
昨日のあの男の人、未那の彼氏は、男の俺からしてもかっこいいと思えるくらいの人だった。
未那も相当、可愛い方だとは思う。
世間で言う『お似合いのカップル』といった具合。
でも、未那の顔は、全然嬉しそうじゃなかった。
むしろ、俺には悲しい顔に見えたんだ。
昨日と同じように、今にも泣きそうなくらいに悲しい顔・・・。
その原因は、なんなんだ?