SoUnD~僕らの世界~
それからは何とか四人でうまく練習をした。
昨日よりもみんな格段にレベルが違っていた。
それぞれ家で練習してきたんだろうな。
俺が変なヘマしなかったら、今日の時点で完璧ってところだったんだろうな。
俺はと言えば・・・。
「雅、ところどころキーが外れてるんだけど。」
「トーンも揃ってねぇぞ。」
「歌もちゃんと歌えよー。」
「悪い。昨日練習あんまできてなくて・・・」
「「「はぁぁぁぁ!?」」」
だよな。
普通はその反応だよな。
三人の顔はバッチリ引きつっていた。
いつもなら誰よりも多く練習している俺。
だから、俺がいつも今こいつらに言われたようなことを指摘してんのに。
今日は正反対の立場になってしまったわけだ。
「どうしたんだよ。珍しいな。」
陵が俺の肩に手を回しておちょくるように話しかけてくる。
でも、紗奈と直登は俺のことをただジッと見つめるだけ。
俺はそんな二人をちゃんと見ることができなかった。
「とにかく、練習しようぜっ。珍しく失敗してばっかの雅のために。」
「陵・・・。」
「なっ。紗奈と直登もやろうぜ。」