SoUnD~僕らの世界~

「直登、そういえば兄貴来るんだっけ、文化祭。」


「おう!ぜってぇライブやるって言ったしさ、一年枠何としてでもとらねぇと。」



直登には三つ年上の兄貴がいて、去年のここの卒業生。

で、その兄貴が来るってんだったら、やっぱり本気でやってかないとな。


俺たちは視聴覚教室を出て、靴箱に向かった。



校門を出て、途中までは四人で帰った。


「そういえばさ、雅って帰りはバスじゃねぇのな。」


俺に向かって陵がしたその質問に、紗奈と直登も「言われてみれば」と目をパチパチさせた。



「母さんが、帰りぐらい歩けってさ。バスだと三十分なのに歩きだと一時間くらいかかるんだぜ?無茶だよな。」


「いや、それに雅が納得したのがすげぇよ。」



「そう簡単に納得してねぇよ!むしろ反対したしな。」

「じゃぁ何で結果的にこうなったの?」


「・・・・・・さぁ。」



「「はぁ!?」」


「気づいたら学校始まってたし、気づいたらこうだった。」


「ある意味すごいね、それ。」



そうなのか?と思いながら歩いていると、陵の家の前に着いた。


「んじゃ、俺お先に!」


「あ、待て、陵!」

「んあ?」


「んとさ、明日からの練習だけど。」


とにかく練習あるのみだと思った俺は、ざっと明日からの流れを説明した。


放課後、四時までには何が何でも視聴覚教室集合。

その後、できるだけ多く練習をしようと考えた結果、最終下校時間までみっちりやることにした。


つまり、七時までってことだ。

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