SoUnD~僕らの世界~
『その意気だ!んじゃ、俺寝る!帰ってずっと練習してて疲れた。』
「宿題のほうは?」
『え?宿題?なにそれ?おいしいのか?』
「寝ろ、今すぐ寝ろ。」
『あーい。んじゃ、明日の朝報告待ってるな!』
「あいよ。んじゃな。」
電話が切れた音と共に、一気に眠気が襲ってきた。
一瞬一秒、未那のことを忘れたくないと思ってたのに・・・。
「はぁ。未那・・・か。」
俺やっぱ変態?変人?
彼氏でもねえのに、今すぐ会いたいとか思ってる時点でおかしいよな。
でも、それが俺の今の気持ちだった―――。
いつの間にか眠ってしまっていた俺は、朝目が覚めて少し焦った。
また寝坊した!?
「全然余裕・・・。」
寝坊どころか余裕の時間に目が覚めた。
ゆっくり準備をして家を出よう。
トコトコバス停までの道を歩く俺。
昨日の朝と同じように、心臓がトクトクと鼓動を打っていた。
バスに乗り込んで未那がいる席へ。
「はよ。」
「あ、今日は雅からあいさつだね。おはよう。」
「俺からしたらわりぃかよ。」
「全然。嬉しいなってことよ。」
今日も未那は笑っていた。
でも、智さんがいたときとは少し違うんだよな。
「未那、昨日の話なんだけど、俺から言っていい?」