ついていきます生徒会長‼
春
はじまり
はあっ…はあ、はあ。
やばい。遅刻だ。
原因はアラームのかけ忘れ。
朝ご飯も食べずに家を出た。
制服は乱れているし、髪もボサボサ。
走っているから息は荒いし。
もうホント、朝から泣きそうだよー…
今日の朝は、会長に生徒会室まで来るように言われたんだっけか。
やばい。早く行かないと…殺される‼
--------
私、張間のどかは、成海学園の生徒会副会長をやっております。
ただいま高校二年生です。
中学の頃すごく人見知りだった私は、そんな自分を変えたかった。
だから、高校生になったら、みんなの先頭に立って
みんなを引っ張って行く生徒会に入りたかった。
そんな希望を持ってここに入った。
が。
一つ問題があった。
ここの今の生徒会長である、日向先輩のことだ。
私が高校一年生のとき、彼は高校二年生で、副会長をやっていた。
友達から「ここの生徒会、カッコイイ副会長いるんだって‼」とまず最初に聞いた。
生徒会に入りたかった私はワクワクして生徒会室に入った。
最初の印象は…。
すごくカッコイイ人。
顔がキレイで、それは女の人のようにも見えた。
澄んだ瞳。長いまつげ。さらさらの髪。
思わず見惚れてしまった。
「何じろじろ見ている」
「えっあっすっすみません‼」
「・・・何か用か?」
思い切り睨まれたのだ。
まっまさか、こんなに怖い人だとは…‼
じろじろ見てた私も悪いけど…。
「あっあの私、生徒会に入りたくてっ…‼」
すこし声が裏返ったが、よく言えた私。
「…ふーん。そういうことか。お前、一年だな?」
「はっはい‼張間のどかと申します‼」
「張間、な。オレは副会長の日向篤志だ。よろしくな」
「こちらこそ‼よろしくおねがいしまっ」
頭を下げたとき、思い切り目の前にあった机に頭をぶつけたのだ。
あまりの痛みに頭を抑えて唸っていると
「バカ丸出しだな」
と、鼻で笑われたのだ。
そう。これが、私と会長の最悪な出会い。
一瞬にして印象は下がった。
なんて、意地悪な人なんだ…っ‼
その後も仕事は押し付けてくるわで色々大変。
そしてこの先輩。
超ドSなのです。
そして冷たいし。
でも女子には人気があるし、男子にも慕われているらしい。
まあ、文武両道でねー…何でもできてね…
部活の柔道部では一番強いしね。
そりゃあ人気あるわ。
でも性格にやや問題アリ、かも?
女子たちは
ドSなとこや、冷たいところがいい
って、いうけど、わかんないや。
あの先輩のどこがいいかなんて。
------
昔を思い出している余裕はない。
でも、もう気付いたら生徒会室の目の前だ。
「おはようございます‼」
「遅いぞ。張間」
いたのは生徒会長ひとりだけ。
ヒイ…眉間に皺寄せて…怒ってらっしゃる…。
「きっ今日はアラームをかけ忘れて」
「言い訳を聞いている暇はない。そこに座れ」
ひ、ひどい…
私が悪いんだけどね…
「これ、お前の分だ」
わあ、何この量。
今渡されたものは放課後までにやらなきゃいけない書類。
なんか、私の分だけ多い気が…
「遅刻した罰だ」
うわああああもうこんなの終わるわけないよ…とほほ。
机の上に顔を伏せた。
「ほら、グズグズしてると予鈴なるぞ」
「えっもうそんな時間⁉」
時計を見ると、五分前ぐらいだった。
「急がなきゃ!」
「ちょっと待て」
会長に呼び止められ、後ろを向くと、何かを投げられた。
これは…パン⁉
「その様子じゃ朝飯も食べていないだろう。貰っておけ」
「あっありがとうございます‼」
泣きそうになった。
この人こんなにいい人だっけ。
「ほら、早く行け。オレも遅刻する」
「あっすみません」
二人で生徒会室を出ると会長はすぐ行ってしまった。
今日はいい気分で教室に入れそうだ。
やばい。遅刻だ。
原因はアラームのかけ忘れ。
朝ご飯も食べずに家を出た。
制服は乱れているし、髪もボサボサ。
走っているから息は荒いし。
もうホント、朝から泣きそうだよー…
今日の朝は、会長に生徒会室まで来るように言われたんだっけか。
やばい。早く行かないと…殺される‼
--------
私、張間のどかは、成海学園の生徒会副会長をやっております。
ただいま高校二年生です。
中学の頃すごく人見知りだった私は、そんな自分を変えたかった。
だから、高校生になったら、みんなの先頭に立って
みんなを引っ張って行く生徒会に入りたかった。
そんな希望を持ってここに入った。
が。
一つ問題があった。
ここの今の生徒会長である、日向先輩のことだ。
私が高校一年生のとき、彼は高校二年生で、副会長をやっていた。
友達から「ここの生徒会、カッコイイ副会長いるんだって‼」とまず最初に聞いた。
生徒会に入りたかった私はワクワクして生徒会室に入った。
最初の印象は…。
すごくカッコイイ人。
顔がキレイで、それは女の人のようにも見えた。
澄んだ瞳。長いまつげ。さらさらの髪。
思わず見惚れてしまった。
「何じろじろ見ている」
「えっあっすっすみません‼」
「・・・何か用か?」
思い切り睨まれたのだ。
まっまさか、こんなに怖い人だとは…‼
じろじろ見てた私も悪いけど…。
「あっあの私、生徒会に入りたくてっ…‼」
すこし声が裏返ったが、よく言えた私。
「…ふーん。そういうことか。お前、一年だな?」
「はっはい‼張間のどかと申します‼」
「張間、な。オレは副会長の日向篤志だ。よろしくな」
「こちらこそ‼よろしくおねがいしまっ」
頭を下げたとき、思い切り目の前にあった机に頭をぶつけたのだ。
あまりの痛みに頭を抑えて唸っていると
「バカ丸出しだな」
と、鼻で笑われたのだ。
そう。これが、私と会長の最悪な出会い。
一瞬にして印象は下がった。
なんて、意地悪な人なんだ…っ‼
その後も仕事は押し付けてくるわで色々大変。
そしてこの先輩。
超ドSなのです。
そして冷たいし。
でも女子には人気があるし、男子にも慕われているらしい。
まあ、文武両道でねー…何でもできてね…
部活の柔道部では一番強いしね。
そりゃあ人気あるわ。
でも性格にやや問題アリ、かも?
女子たちは
ドSなとこや、冷たいところがいい
って、いうけど、わかんないや。
あの先輩のどこがいいかなんて。
------
昔を思い出している余裕はない。
でも、もう気付いたら生徒会室の目の前だ。
「おはようございます‼」
「遅いぞ。張間」
いたのは生徒会長ひとりだけ。
ヒイ…眉間に皺寄せて…怒ってらっしゃる…。
「きっ今日はアラームをかけ忘れて」
「言い訳を聞いている暇はない。そこに座れ」
ひ、ひどい…
私が悪いんだけどね…
「これ、お前の分だ」
わあ、何この量。
今渡されたものは放課後までにやらなきゃいけない書類。
なんか、私の分だけ多い気が…
「遅刻した罰だ」
うわああああもうこんなの終わるわけないよ…とほほ。
机の上に顔を伏せた。
「ほら、グズグズしてると予鈴なるぞ」
「えっもうそんな時間⁉」
時計を見ると、五分前ぐらいだった。
「急がなきゃ!」
「ちょっと待て」
会長に呼び止められ、後ろを向くと、何かを投げられた。
これは…パン⁉
「その様子じゃ朝飯も食べていないだろう。貰っておけ」
「あっありがとうございます‼」
泣きそうになった。
この人こんなにいい人だっけ。
「ほら、早く行け。オレも遅刻する」
「あっすみません」
二人で生徒会室を出ると会長はすぐ行ってしまった。
今日はいい気分で教室に入れそうだ。
< 1 / 9 >