ついていきます生徒会長‼
昼休み
今の私は達成感でいっぱいだ。
今朝、会長に渡された書類を昼休みまでに終わらせることができた…!
放課後までに提出だったから全然余裕。
あとは会長に渡すだけ!
「のどかー一緒にお弁当たべよ!」
「ごめん!忙しいから、食べてて!」
じゃあ、会長を探しにいかなきゃ。
生徒会室にいるかなー。
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「あれっ会長は?」
「日向会長なら、格技室じゃないですかね?」
生徒会室に会長はいなかった。
いたのは後輩で、生徒会会計を勤める橋本優雅くん。
「終わらせれたんですね。張間先輩」
「なんとかね!あの鬼畜会長はさ、遅刻してきた罰だとかいって
私の分だけ量増やしやがってさ…」
「ははっ。でもそれは張間先輩が悪いです」
「まーね!」
橋本くんと顔を合わせて笑う。
この子はね、もうホントに可愛いの。
小動物みたいでとても癒される。
笑った顔がホントに可愛くて…優しくて…。
あの鬼畜会長とは大違い!
「じゃあ、会長探しに行ってくるね!」
「行ってらっしゃい。張間先輩」
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格技室ってここだっけな…。
ここら辺はあまり来た事が無いからわかんないや。
ん、中から物音がする…。
誰かいるのかな?
「失礼しまーす」
「…! なんだ、張間か」
中にいたのは柔道着を着た会長。
「昼練ですか?その割には部員が全然いませんね」
「いや、これはオレの自主練だ」
「へえー!会長って練習熱心なんですね」
「…まあな。来週に大会を控えているしな」
意外だなあ。なんか。
会長ってこうやってみるとやっぱ柔道強いんだなあ。
まあ部長だしね…。
柔道着からちらちら見える胸元にドキドキする。
筋肉がついててすごく逞しく男らしい体。
やっぱ会長ってカッコイイ…。
いやいや、思い出せのどか。
こいつの今までの数々の鬼畜の所業を。
首を思い切り横にぶんぶんと振った。
「そういえば…オレになんか用があるんじゃないのか?」
「あっそういえばこれこれ!!終わらせましたよー!」
誇らしげな顔で会長に書類を渡した。
「へえ…終わらせれたんだ。お疲れ様」
そう言って意地悪そうに笑った。
キイイイイイイイむかつく!!
そんな時、お腹がぐうとなった。
そういえばお弁当まだだったな。
今更教室に戻って食べてる余裕はないし、ここで食べようかな。
一応お弁当は持ってきてるしね!
「会長ー!お弁当ここで食べちゃってもいいですか?」
「別に構わん。…もうそんな時間か。オレも今日はここまでにしよう」
会長は着替えに行った。
戻ってきたときには手には購買パンが握られていた。
会長のお昼は私がみる限りいつも購買パンだ。
私はいつもいつもそんな会長の食生活を注意してきた。
「あっまた購買パンばっか食べて!!栄養バランス悪いですよ!」
「…別にお前には関係ないだろう」
「ひどい!いつもいつも心配して言ってあげてるのに!」
「そんなに言うならお前がオレに弁当作ってくればいいだろう」
「はっ?私が?」
「お前のその弁当もお前の手作りだろう。ついででいいから」
私の家は、親が共働きで忙しくてあまり家に居ない。
だからほとんどの家事は私がこなしている。
料理はいつのまにか得意になっていった。
「べ、べつにいいですけど…」
「で、味はどんなもんかな」
会長はひょい、と私の弁当箱から卵焼きをつまみ上げた。
「ちょ、ちょっと!!私の卵焼きー!」
「へえ、なかなかうまいじゃないか」
心臓がドキンとはねた。
え、え?私、会長にときめいてる?
いやいや、これは料理褒められて嬉しかっただけだって!
「これからよろしくな張間。弁当、楽しみにしてるぞ」
も、もー…勝手だなあ…。
私ももう会長に振り回されるの慣れちゃったのかな。
新しい弁当箱、もういっこ買っておかなくちゃな。