ついていきます生徒会長‼
今日はいつも通りの日々。
放課後、生徒会室へ向かおうとした。
そんな時だった。
「張間さん?」
「?」
突然後ろから声をかけられた。
えーと…この人は…
委員会で何度かお見かけする…3年生の学年委員長の細谷先輩だっけ?
「ちょっと、分からないことがあって、お聞きしたいんですけど、時間いいかしら?」
「あっはい!私に出来る事ならなんでも!」
わわっ…近くで見るとすんごい可愛いな。
3年生の間でも美人って有名だし…かなりモテるって噂。
「ふふ。じゃあ、ちょっとついて来てくれるかしら?」
「はい!」
…言われるがままついてきたけど…
ここって…
「倉庫…ですか?」
「ええ…ちょっと…物を探しているのだけど…どこにあるか分からなくて…」
「ああそういうことですか!何を探してるんですか?取ってきますよ!」
その時、背中に衝撃がはしった。
私は思わず床に倒れた。
私はその瞬間、誰かに背中を押されたんだと理解した。
「細谷…先輩?」
「ねえ、あなた。最近調子乗りすぎじゃない?」
「え…私が……?」
「そうよ、随分と楽しそうね。篤志といつも一緒にいて」
私は即座に理解した。
ああ、細谷先輩は会長の事が好きなんだなって。
「…悪いですか」
「…私は貴方と篤志が出会う前から篤志の事が好きだったのよ…」
細谷先輩は泣きそうな顔になっていった。
「なのに…なのに途中から現れたあんたに篤志を取られるなんて…
そんなの絶対に許さないわ。
ねえ…貴方、副会長を辞退して下さる?」
…細谷先輩の気持ちは分からなくもない。
細谷先輩だって会長の事が好きだった。
だから途中から現れたくせに私が会長と仲良くするのが気に食わない。
それは、誰にだってある感情だ。
…でも、私だって譲れない。
「…や…です…」
「え?」
「嫌です。私は絶対に副会長を辞退したりはしません」
私は、生徒会の活動が好きだ。
生徒会のみんなが好きだ。
絶対に辞めたくないし
会長の傍を離れたくない。
今やっと分かった。
…私は会長の事が好きなんだって。
だから譲れない。
副会長の座は私の特等席だ。
細谷先輩には、負けたくない!
「…言うと思ったわ…」
すると、頭に鈍い衝撃がはしった。
同時に私は意識を失った。
「ずっとそこにいればいいわ…
ここはあまり人も来ないし
警備員の人も気付かないだろうね。
貴方が悪いのよ…張間のどか…」