ついていきます生徒会長‼
う、うう…
目が覚めた。
あれ…ここって…どこ…。
そういえば、さっき細谷先輩と…。
ってことは、ここは、倉庫…!!!?
体が震える。
さ、さむい…。
腕をさすろうとすると、違和感に気付く。
あれ、私、制服着てたよね…?
自分の今の姿は下着だけになっていた。
「ひ、ひどい…」
ここまでするなんて…。
時間は分からないけど…もう、深夜ぐらいだろうか…。
お母さんも心配して…って、まだ帰ってきてないか…はは。
このまま、誰にも見つけられないのかなあ。
涙が出てきた。
私は…そんなに悪い事をしたのかな。
ただ会長が好きなのに。
それってそんなにいけないことなのかなあ。
ごめんなさい…ダメな副会長でごめんなさい…
私は…会長に恋をしてしまいました…
会いたい、会いたいよ日向会長。
助けて、助けてよ日向会長。
「かい、ちょお…うう…」
「何だ」
!
えっ
会長…!?
「張間…そこにいるのか?」
「か、会長…?なんでそこに…!」
「ずっとお前を探してたんだよ。
いつも必ず生徒会に顔を見せてるお前が来なかったから心配してな…。
やっぱり校内にいるのかと思って戻ってきたら
丁度お前の声が聞こえてな」
私を…探してくれた…?
どうしよう。嬉しい。
また、涙が出てきちゃいそう。
「開けるぞ、張間」
え、ちょっと待って。
開けるってことは…やっぱりこの姿、見られちゃう事になるよね。
私は今下着姿だ。
どうしようどうしよう。
あたふたしてるうちに扉が開いてしまった。
あああああああもう死んでしまいたい。
「…」
「かい…ちょう…」
沈黙。
私はもうきっと耳まで真っ赤だろう。
恥ずかしい…。
沈黙を破ったのは会長だった。
自分の着ていたブレザーを、私にかけてくれた。
胸がキュン…とする…。
会長の匂いがする…。
「お前のその幼児体型を見ても欲情なんてしないからな。見苦しいだけだ」
…。
……………。
うわああああああああああああああああああああああああ
最低だあああああああああああああああああああ…!
会長はこういう人だって知ってたけど…
そこまで言わなくてもいいじゃないか…
よ、幼児体型…フン…どうせ…どうせペチャパイですよーだ…
さっきのときめき返せよお…
「来い。その格好では帰れんだろう」
更衣室だった。
「今日は…とりあえずこれを着て帰れ。…少しサイズが大きいか?」
会長のジャージを貸してもらった。
う…ん…少し…大きい…。
「大丈夫です、ありがとうございます!」
色々私の事考えてくれたんだなあって思うとすごく嬉しかった。
「返すのはゆっくりでいいから。さ、帰るぞ」
「は、はい!」
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会長は家まで送ってくれた。
「わざわざ家まで…すみません」
「フン、こんな真夜中にお前だけだと危ないからな」
「それと一つ…聞きたい事があるのだが」
「はい。何ですか?」
「誰だ」
「えっ?」
「お前をそこまでにしたやつは…誰だ?」
少しビクッとした。
会長の声が今までと違う、低い声で言った。
「それは…」
「言ってみろ」
「も、もし私が言ったら…先輩はその人の事…」
「…お前が気にすることはない。悪いのはそいつだろう?」
「で、でも…」
「分かったよ。優しいやつだな。お前は」
ポン、と頭に会長の手が乗る。
すると、優しく頭を撫でてくれた。
「会長…」
「怖かったな」
そっと抱き寄せられる。
自然と涙が溢れて来る。
「…オレのせいだろう?」
「…え?」
「オレと一緒にいて…お前が傷つくなら…もうお前はオレと一緒にいない方がいい」
「そ、そんなの嫌です!!」
「会長の我儘を聞いてくれるのも私ぐらいだし、副会長の仕事は
私じゃないと務まりませんよ!
べ、別に会長といたくているわけじゃないですからね!」
そう言うと、会長は笑っていた。
「はは、そうかもしれんな。ありがとう」
「…じゃあな。気を付けてな」
「は、はい!おやすみなさい…」
「おやすみ」
会長は帰って行った。
今日あった出来事が忘れられない。
…頭を撫でられた感覚。抱きしめてもらった感覚。
会長のジャージ…。
やばい…私はこんなにも会長が好きだ…。