バイナリー・ハート 番外編


 ロイドにしても、中身がランシュである事は認めている。
 だが器がロボットである事を、決して忘れてはならないのだ。

 言い訳するのを諦めて、ロイドは軽く息をついた。

 中途半端に話を聞いていたユイは、ニコニコ笑いながら、とんちんかんな事を言う。


「でもランシュって、ホント人間と変わらないのね。子供も作れるなんて」


 それを聞いてロイドは益々ため息を漏らし、ランシュは顔を引きつらせながら否定した。


「い、いや……子供は作れないから。男性機能があるってだけで……」


 ロイドはここぞとばかりに反撃する。
 自分だけエロ学者呼ばわりされるのは不愉快だ。


「そうだ。子供も作れないのに、そんな機能だけ付けたこいつも、充分エロ学者だぞ」

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