バイナリー・ハート 番外編


「そうかそうか。まぁ、おまえの人生はこれからの方が長いんだ。”いつか”おまえの事を理解して受け入れてくれる、いい女が現れるさ」

「勝手に納得して完結しないでください」


 ロイドの手を払い除け、乱れた髪を整えながら、ランシュは不愉快そうに顔を歪める。
 向こうからユイが、ニコニコしながら嬉しそうに声をかけた。


「ランシュ、初めての恋人は、私にも紹介してね」
「……うん」


 ユイにまで断言され、ランシュは力なく肩を落とした。

 少ししてランシュは、ロイドに問いかけた。


「そういえば聞いてませんでしたけど、オレの寿命って何年あるんですか?」
「わからない」
「へ?」


 ロイドの答えに、ランシュは目を丸くする。

< 12 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop