バイナリー・ハート 番外編
「三日後に尽きるかもしれないし、五十年後かもしれない」
「どういう事ですか?」
訝しげに眉を寄せるランシュに、ロイドは説明した。
ランシュの寿命は、ロイドの生体反応に連携する形に設定してある。
つまり、ロイドの寿命が尽きれば、その三日後にランシュも機能を停止するのだ。
同時に死亡したら、ユイが残されていた場合、事後処理等が大変になる。
ロイドが死亡した後、ランシュのメンテナンスを行う人間もいなくなるので、その方が都合がいいのだ。
話を聞いてランシュが、不満そうに訴えた。
「どうせなら、ユイと一緒の方がよかったな」
「ユイにおまえのメンテは出来ないぞ。それに、おまえとユイを二人きりにしてオレが先に死んだら、死んでも死にきれない」
「なるほど、そういう裏があったんですか」
「そのために、おまえに殺されたら、たまらないしな」