バイナリー・ハート 番外編
ユイは元々気が強い奴だったが、腹に子を宿してから、輪をかけてたくましくなったような気がする。
頑固にも拍車がかかって、余計にいう事を聞かなくなった。
これはおそらく、てこでも動かない。
ユイを動かす事は諦めて、ロイドはランシュを説得する事にした。
「見ての通り、ユイはこちらに目もくれてない。気兼ねなく脱げ」
「気兼ねします。だいたい撮影するだけなら、局の研究室の方が、照明とかも都合がいいじゃないですか」
「人に見られたら困るだろう」
「そうですけど、別にオレの正体がバレる心配はないし……」
ユイに負けず劣らず、いう事を聞かないランシュは、しつこく食い下がる。
見られて困るのは、ランシュではなくロイドの方なのだ。
「裸のおまえを撮影してるんだぞ。オレに変な趣味があると思われたら困るじゃないか」