バイナリー・ハート 番外編

 結衣はランシュの身体に手を当てたまま尋ねる。


「ねぇ、ランシュ。少しドキドキしてる?」

「そりゃあ、ユイに触れてるから。オレの感情や運動量に連動するようになってるんだ」

「へぇ」


 結衣が感心して目を見開いた時、ランシュの後ろからぬっと手が伸びてきて、彼を結衣から引き剥がした。


「いつまでくっついている。ユイと至近距離での会話は禁止しただろう」


 ランシュの首に腕を巻き付けながら、ロイドが不機嫌そうにわめく。


「離してください」


 ロイドの腕をすり抜けて、ランシュはムッとした表情でロイドを睨んだ。

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