バイナリー・ハート 番外編


「あぁ、なるほど」


 やっと理解したランシュは大きく頷いた。
 そして、おもしろそうに笑いながら言う。


「確かに。ヘタすりゃ局長職の進退に関わりますよね」
「納得したなら、さっさと脱げ」


 ロイドがそう言うと、ランシュは真顔に戻り、キッパリと言い切った。


「今、ここではイヤです」
「命令だ」
「オレにその言葉は通用しません」


 こんな時、ランシュに絶対命令がインプットされていない事を厄介だと思う。

 通常、人工知能搭載のロボットは、人に”命令”されれば、絶対命令が働いて、人に危害を加える事と、法に反する事以外は、従う事になっている。

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