バイナリー・ハート 番外編
生殖能力を追加する事は可能だったが、ランシュの遺伝子には欠陥がある。
かといって他人の生殖細胞をもらっても虚しいので、断念したらしい。
機能的には可能だという事は分かった。
だが、身を隠していたランシュに、そこまで深い付き合いのあった女がいたとは信じ難い。
とりあえず機能を確認したくて、咄嗟に股間に手を伸ばし、わしづかみにする。
ランシュは声を上げてロイドの手を払い除け、飛び退いた。
「何するんですか、いきなり!」
「ふーん。そんなとこにもダメージセンサは働くのか」
「当たり前です。男の急所ですから」
という事は、感じるという事か。
腕を組み、むくれた表情で見上げながら、ランシュはロイドを警戒している。
「そのサイズじゃ、ものの役に立たないだろう」
「サイズは変わりますよ。普段からフルサイズだったら恥ずかしいじゃないですか」
「ほぉ、よくできてるな。脱いだついでに見せてみろ」