バイナリー・ハート 番外編
呆れたようにつぶやくフェティに、ようやく笑いの収まったランシュは告げた。
「オレ、機械が好きなんだ。機械の事、もっと色々知りたい」
「そう」
フェティは満足げに目を細めた。
「ありがとう。フェティ」
腕を伸ばしてフェティの首に回し、思い切り背伸びをして、ランシュは彼女の頬にキスをした。
少し驚いたように目をしばたたいた後、フェティは「どういたしまして」と言いながら、照れくさそうに笑った。
少し頬を染めた少女のような愛らしい笑顔が、ランシュの胸に焼き付いた。
(完)