赤い瞳の先に~吟遊詩人の歌~
「今宵、誰そ一人、我が伽をつとめよ。さもなくば、嵐の中をさ迷うがよい」


迷わず名乗りいでたるは、邪眼のユール。


魔女は、己が褥(しとね)に王子を入れた。


「妾(わらわ)を忌み嫌わぬのか?」

魔女は言った。


「マイ·レイディ」

ユールは魔女を腕に抱いた。


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