赤い瞳の先に~吟遊詩人の歌~
「これは妾に懸想した魔法使いがかけし闇の呪い。ユール、妾を奪っておくれ。それが呪いを解く鍵」


姫君の馨しき身体を貫きて

その溜め息を全て吸い取り

ユールは恋に落ちた。


けれど、雄鶏が朝を告げた途端


魔法は消え失せ、ユールと二人の兄達は、朽ち果てた城の残骸の中にいたのであった――





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