「お先に失礼します」
なぜかと訊くんですか?

あれは…そうですね。

24歳の頃でしたか。

当時、片目が見えず

右足を引きずって

心を閉ざし

孤独だった私は

下町の小さい工場に就職しました。

黙々と仕事をして家に帰る日々を

繰り返す生活でした。
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