その幸せを私は知らない
その幸せを私は知らない
ささやかな幸せ
小さな幸せ
平凡な幸せ
どういうことでしょうか……
どういうことを指して言っているのでしょうか……
貴女はいつも熱っぽく語るけれど
私にはピンとこないどころか伝わりません
いえ……
伝わらないというよりも
しっくりこないのです
愛する幸せ
愛される幸せ
どういう感じがそうなのでしょうか……
どう感じたらそうなのでしょうか……
貴女はいつもさらりと語るけれど
私にはピンとこないどころか伝わりません
いえ……
伝わらないというよりも
しっくりこないのです
熱っぽく
時に
さらりと
「幸せ」を語れる貴女が羨ましい
だって
伝わらない私はきっと……
その「幸せ」を知らないのだから
私の思う「幸せ」は
私の感じる「幸せ」は
きっと非凡で可笑しくて
たぶん異形なのです
きっと……
私が変なのです
でも確かに
貴女の言う幸せを
貴女の言うように
ちゃんと感じられたら
きっと幸せですね
だから貴女が羨ましい
いつでも「幸せ」を語れる貴女を
羨望の眼差して見ている異形な私
ああ……貴女が眩しい
私の願う幸せは
空を掴むような
虚しいものかもしれません
それでも
求めてしまい
望んでしまい
さ迷ってしまう
『愚か』そのものでしょう
わかっています
私が変なのです
ああ……貴女が眩しい
きっと……
「その幸せを私は知らない」