蜜愛シンドローム ~ After Party ~



前からって・・・。

相変わらず口が減らない後輩だ。

しかし、純也に心配されるほど自分はヤバイ顔をしているらしい。


「ま、あの三人を相手にしていたら、そうなるのも無理はないかもしれませんが」

「・・・」

「愛されるというのも大変ですね。秋月先輩?」


純也は黒メガネの奥の目を細め、くすりと笑う。

絢乃ははぁっと息をついた。

───純也は他人事のように言うが、絢乃にとっては他人事ではない。

疲れた顔でコキコキと肩を回す絢乃に、純也はいつになく楽しげに言う。


「まぁ、今回は強者揃いらしいですからね。頑張ってくださいね、秋月先輩?」

「・・・え?」

「表向きにはなってませんが、今回の三人は全員、真性がSという設定らしいですからね。先輩が夜な夜な死にかかるのも無理はないですよ」

「は、はぁ!?」


絢乃は目を剥いた。

・・・なんだそれは。

聞いてない。

というか聞きたくない。


< 2 / 21 >

この作品をシェア

pagetop