蜜愛シンドローム ~ After Party ~
「ま、マゾよりはいいんじゃないですか? マゾなお三方も見てみたい気もしますが、まぁ需要はないでしょうね」
「・・・」
確かに・・・それはちょっと・・・。
と思う絢乃の横で、純也は続ける。
「男側がサドな場合は、受け手である女からは男の全てが見えるわけではない。だから次に何をされるかわからないというドキドキ感があるわけです」
「・・・は、はあ・・・」
「ま、あまりやりすぎると人格変わっちゃって原稿がボツになる危険性もありますからね。誰とは言いませんが。・・・まあ、何事もほどほどがいいということです」
「・・・」
───というかコイツは何を言ってるのか。
絢乃はあんぐりと口を開けた。
しかし、とんでもないことを聞いてしまった気がする。
・・・思い起こしてみれば、心当たりがあるような気も・・・。
青ざめた絢乃の向かいで、春美が心配そうに声をかける。
「ちょっと、ますます顔色悪くなってるけど、大丈夫なの?」
「は、はい・・・」
「言っとくけどね。あたしが思うに、あんたを幸せにできるのは北條さんしかいないわ! 間違っても加納とか選ばないこと!」