蜜愛シンドローム ~ After Party ~
春美は昔から雅人を猛烈にプッシュしている。
逆に卓海は毛嫌いしているので、雅人を推すのも分かる気がするが・・・。
隣で純也はクスクスと笑う。
「そうですか? 僕は加納さんもなかなかいいと思いますけどね。あの鬼な一面と言い、カルそうに見えてダークな一面といい。なかなか面白いですよ」
「・・・いや、面白いからって勧められても・・・」
「刺激的な、退屈しない人生を送れそうな気がしますけどね。どうですか、秋月先輩?」
───どうですかと言われても・・・。
絢乃ははぁぁぁと重いため息をついた。
・・・なんかもう、好きに言ってくれという感じだ。
と、その時、ピピッと個人携帯にメールが入った。
卓海からだ。
『本日、19:30より慰労会を行うので参加すること』
慰労会って・・・。
組合旅行のときの慰労会を思い出し、絢乃はうーんと首を捻った。
鬼が主催の慰労会って・・・。
あまり気乗りはしないが、行かなければ行かないで面倒臭いことになりそうだ。
行くだけ行ってみるか・・・。
絢乃は参加の旨を手早くメールし、携帯をパタンと閉じた。