蜜愛シンドローム ~ After Party ~




春美は昔から雅人を猛烈にプッシュしている。

逆に卓海は毛嫌いしているので、雅人を推すのも分かる気がするが・・・。

隣で純也はクスクスと笑う。


「そうですか? 僕は加納さんもなかなかいいと思いますけどね。あの鬼な一面と言い、カルそうに見えてダークな一面といい。なかなか面白いですよ」

「・・・いや、面白いからって勧められても・・・」

「刺激的な、退屈しない人生を送れそうな気がしますけどね。どうですか、秋月先輩?」


───どうですかと言われても・・・。

絢乃ははぁぁぁと重いため息をついた。

・・・なんかもう、好きに言ってくれという感じだ。

と、その時、ピピッと個人携帯にメールが入った。

卓海からだ。


『本日、19:30より慰労会を行うので参加すること』


慰労会って・・・。

組合旅行のときの慰労会を思い出し、絢乃はうーんと首を捻った。

鬼が主催の慰労会って・・・。

あまり気乗りはしないが、行かなければ行かないで面倒臭いことになりそうだ。

行くだけ行ってみるか・・・。

絢乃は参加の旨を手早くメールし、携帯をパタンと閉じた。


< 4 / 21 >

この作品をシェア

pagetop