SEXOFFLINE~セックスオフライン~
マリアは物心ついたときから、父や母から愛情を注いでもらった記憶が無い。
二人ともマリアにはまるで無関心だった。
それでも小学校の頃は、母は口うるさくマリアになにかと習い事をさせた。
少しでもかまって貰ってると感じたから、マリアはその頃の母親が一番好きだ。
それなのに、母はマリアの上達を喜ぶこともなかったし、褒めてもらった記憶もない。
(世間に対する見栄だったのだろう)
母は、マリアが中学生になる頃にはそうしたことにも飽きてしまったらしく、まったく干渉してこなくなった。
父はずっと仕事で忙しかったし、少ない自分の時間は、報われることのない母への愛情―媚を売っているだけかもしれない―に費やされ、マリアに興味を示すことが無かった。