SEXOFFLINE~セックスオフライン~


「和歌に比較されているかも知れない」

これは畠山にとって小さな恐怖だった。

しかしさすがは畠山、和歌をあきらめる気などさらさら無い。

朝田へのコンプレックスを、更に自分を向上させるための材料とすることにした。

「絶対に社長になってやる。そしたら同じ土俵に立てるだろう」

こうして畠山は和歌を通して朝田にライバル心を持つになる。

ときに恋心というものが複雑だというのは、単純に和歌への気持ちだけでなく、ライバルやコンプレックスの存在により、より深くなったり、彩(いろどり)を添えられるところだろう。

だが、和歌は最後に、

「お付き合いしていた男性と別れたばかりで、少し自分を見つめなおしたいし、今は仕事に専念したい」

このような理由で、畠山との交際は考えられないと告げた。


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