SEXOFFLINE~セックスオフライン~


利口なマリアはそういう人間心理を知っていたし、もとより学校の人間に関わりを求めていなかった。

関わりを求めない理由だが、それは単純で深刻なものだった。

彼女は思春期の少女達が持つ、野生の獣のような感情の昂(たか)ぶりが苦手だった。

泣き、笑い、怒り、共感し、依存し、少女達は雑多で健康な青春時代を過ごしている。

マリアは自らの感情が昂ぶるのが苦痛だったし、他人の感情を受け止めるのも苦痛だった。

要するに、マリアは同年代の少女たちを決して嫌いではなかったが、どう付き合っていいのかが分からない。

マリアは今日も表情乏しく、学校生活を送っている。

< 62 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop