冬の思い出 【実話】
このとき、あたしは彩香に

感謝するべきだったんだね。






「あははははっ!
この魚ぶっさいくやなぁ!!」



藤田は笑った後、ななめ後ろを向いて



「おいおい!!
この魚瀬戸内らしいでっ」




▲▲小の皆に言った。

その光景をあたしと彩香は

唖然としたような顔で眺めていた。





彩香が


「ちょっと、ちょっと
いつから仲良くなったん?」


「俺と大地は野球のチーム同じやねん。」


藤田が言った。





彩香と藤田の会話を聞いてるとき...






「なぁ、なぁ!!
お前ってこの魚なん?笑」




声がした方に体ごと向ける。


その声は佐藤大地。


半笑いで聞いてきた。




『違いますけどっ!!』





この後の会話は覚えてないけど

この日ずっと瀬戸内から魚に変わった。





この瞬間が佐藤と初めて喋ったんだろうね。

交わした言葉は少なくても

何故かすごく頭に残ってるんだ。




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