青空にさよなら

孤立した悪者





あれから、一週間が経った。


テスト返却のあとからも、清水さんからはちょこちょこと絡まれることはあったものの、今までみたいな嫌がらせを受けることはなかった。


嵐の前の静けさ、みたいな。
毎日のように嫌がらせを受けていたせいで、それがなくなった今、そんな恐ろしさを感じる。


いじめられないなら、それに越したことはないのに、おかしな話だ。


だからあたしは、美空がひとりにならないように、休み時間中はなるべく行動を共にしていた。


そんな、ある日のこと。



「あなた達、いつからなの?」



放課後、あたしと美空は、担任の澤田先生に呼び出された。


「何がですか?」


「いつから、いじめられるようになってたの?」


あたしが聞き返すと、先生は真剣な顔でもう一度言った。


「えーっと……」


その質問に、あたしと美空はお互いの顔を見合わせる。


美空はやっぱり自分のせいだという負い目があるのか、言いにくそうに苦笑している。
だから代わりに、あたしが答えた。


「あたしは入学して少しした頃からで、美空はそれよりも前からです」


「そうなの……」


澤田先生がため息をついた。



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