青空にさよなら
その翌日。
英語の授業中に事件は起きた。
「それじゃあ、今日は英単語の小テストをやります」
澤田先生の言葉に、クラスの皆がざわめきだす。
「えー!いきなりー!?」
「何の勉強もしてないですよー」
「大丈夫。ちゃんと勉強する時間を取りますから!成績にはいるから、皆真面目にやってね」
不満を言う生徒たちに、澤田先生は鼓舞するように両手をパンと叩いてそう言った。
――ピーンポーンパーンポーン。
〈澤田先生、澤田先生。お電話が入っております。至急職員室まで……〉
するとその直後、校舎内に放送が入り、澤田先生は職員室へと向かうように呼ばれた。
「じゃあ、先生が戻ってくるまでテスト勉強しててください。戻ってきたらすぐやるからね」
そう残すと、先生は教室を出て行った。
しばらくして、騒がしくなる教室。
友達同士で一緒に勉強を始める人や、黙々とテスト勉強を始める人。成績なんてどうでもいいのか、居眠りしている人もいる。
あたしも、とりあえず勉強しようと教科書を開く。
どっちかっていうとあたしは文系なんだけど、英語だけはあんまり得意じゃないんだよね……。
美空に教えてもらおうと思ったけど、美空はすでに自分で勉強を始めていたので、邪魔になるかと思い、あたしも自分1人で頑張ることにした。