青空にさよなら
あたしは、真っ青な顔で立ち尽くす美空のもとへ慌てて駆け寄った。
「美空!」
「あ、蒼唯ちゃ……。わた、し……」
知らない、やっていない、とあたしに向かって目で訴えながら、なんとか首を横に振る美空。
「美空がカンニングなんてするわけないでしょ!」
あたしが取り巻きにそう言うと、不敵な笑みをたたえた清水さんが割って入ってきた。
「でも、その消しゴム、須藤さんの机の上から落ちたんだから、須藤さんのものに間違いないじゃない」
それを聞いて、美空の顔からさらに血の気が引く。
「わ、私……ほんとに……ちがう……!」
ガタガタと体を震わせながら美空が必死で否定したけど、消しゴムは確かに美空が使っていたものと同じタイプのもの。
「最低ー」
「みんな、真面目にテスト受けてんのにね」
クラスメイトたちが好き勝手に口々と言う。
絶対はめられた……。
あたしは直感でそう思った。
しばらく何もしてこなかったと思えば、こんな形でクラスの皆の前で嫌がらせをしてくるなんて。こんなのまるで、公開処刑だ。
最低なのはどっちよ……!
涙目になる美空の肩を抱きしめながら、あたしは必死で考えた。
もしかしたら……あの時!?