青空にさよなら
何……それ……。
本当に友達じゃなかったの?今までずーっと一緒にいたのに?少なくとも、清水さんはあなた達のことを友達だと思っていたんじゃないの?
質問には答えてくれたはずなのに、あたしはますますわからなくなっていた。
自分なりに解釈すると、この人達は、美空のカンニングが自分たちが仕組んだものだとバレてしまったから、清水さんに言われてやった、とあくまで自分たちは悪くないことを主張しているのだ。
何なの、この人達。
自分たちの立場が悪くなった途端、突然態度を180度変えてくるなんて。
友達って何?自分が安全に学校生活を送れるなら、今まで一緒に過ごしてきた相手でも簡単に裏切るの?それとも、あなた達にとって清水さんは、そんな程度の存在だったってことなの?
そんなの……ひどすぎるよ。
――ドサッ。
あたしが何も言えずに呆然と立ち尽くしていると、教室の入口のほうで何かが落ちるような音がした。
笑い声がやみ、皆一斉にドアのほうへ視線を移す。
そして、目の当たりにしたその人物に、そこにいた全員が言葉を失った。
「……し、清水さん……」
その人物の名前をつぶやいたあたしの声が、静寂に包まれた教室にやけに響いた。