青空にさよなら
間違ったことはしてないと思う。
美空を助けたことに後悔なんてしていない。助けないで見て見ぬふりをしたほうが、きっとあたしは後悔してた。
でも、でもね、やっぱりひとりぼっちは怖いよ。
一緒に闘ってくれる人が欲しい。
「うっ……ふぇ……」
今までどれほどあいつらに嫌がらせを受けても平気だったのに、今日は相当こたえていたのか涙が出てきた。
「ごめん、急になんか……」
人前でこんな取り乱しちゃって恥ずかしいな。
慌てて制服の袖で涙を拭うけど、制服もすでに濡れているからあまり意味をなさない。
ハンカチ、どこだっけ。
スカートのポケットから取り出したお気に入りのハンカチも、汚い水で濡れていた。
「あたし、もうまっすぐで居るの疲れちゃったなぁ……」
ハンカチを握り締め、ぽつりとつぶやく。
すると、次の瞬間、自分の頭に優しい感触がした。
「だったら、1回立ち止まっちゃえばいいんだよ」
碧の大きくて温かい手で、頭を撫でられていた。
ポンポンと2回軽く手を置かれたあと、優しく髪を梳かすみたいに撫でてくれる。
「疲れた時はのーんびりするのが一番だよ」
碧……。