青空にさよなら




そうなんだ、と精一杯の作り笑いで返すと、碧は「ごめん、こんなことどうでもいいよね」と言って苦笑した。


「碧。あなたは、四年前ここの川で溺れて死んでしまったんだよね」


「うん」


「あたしがここの橋の上から飛び降りようとした時に現れた碧は、もうすでに幽霊だったってことだよね」


「……うん」


頷く碧。覚悟をして尋ねたとはいえ、やっぱりショックだった。


自分が好きになった相手が、もうすでに亡くなっていた人間だったなんて。


でも、もっと早くに気づいても良かったのかもしれないと今なら思う。


小学校までしか通っていなかったのは、小6の時に死んでしまっていたからで、お弁当を食べてくれなかったのは、幽霊だからどう頑張っても食べられなかった。いないと思っても突然現れたりしたのだって、そのせい。


あの夢が、本当にあたしの記憶なのだとしたら、碧が言った“前に会ったことがある”っていうのは、“生前に会ったことがある”ということだったんだ。


あたしが学校へ行けるように碧を助けると話した時に、あんなにも悲しそうに笑ったのも、もうそんなことは一生叶わないからで……。


どんどん繋がっていくパズルのピース。


だけど、ひとつだけ、どうしてもわからない。



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