青空にさよなら
「どうして、碧は幽霊になってまで、あたしのそばにいてくれたの……?」
すぐに成仏すれば楽になれるというのに、どうしてそんな、わざわざ幽霊なんてつらい道を選んでまであたしのもとに現れたのか。
それが、どう考えてもわからない。
「んーと、それを答えるには、蒼唯に全部を思い出してもらう必要があるね」
「え……?」
「蒼唯、俺はただ、ここの川で溺れ死んだって思ってるでしょ?」
そう言って、あたしの頬に手を添える碧。
すぐに顔が熱くなる。
右手であたしの左頬に触れ、あいている左手でたしの頭を自分の方へと引き寄せると……。
「……っ!!」
そのまま、あたしの唇に、碧のそれが重ねられた。
ちょっ、碧っ!
あ、あたしの、ファ、ファーストキス!
恥ずかしさから逃れようとしたあたしだったけど、それでも碧はキスをやめない。
そうしているうちに、頭の中に何かが流れ込んでくるような感覚を覚えて、あたしの意識はだんだんと遠のいていく。
碧……どういうこと……なの……。