青空にさよなら




「ごめんね、蒼唯。ちゃんと、言える時がきたら言うから」


ゴローンと土手に寝転がったあたしに、碧がおずおずと言ってきた。


横目で碧を見ると、なんだか捨てられた子犬みたいな、切なそうな顔をしているのがわかった。


確かに気にはなるけど、そんなマジになって謝らなくてもいいのに。


「いいよ、全然」


にこっと笑って、碧も隣に寝転がるように促す。


碧はやっといつもの笑顔になって、横になって気持ちよさそうに目を閉じた。


「今日もいい天気だね」


「うん。夏が近いからちょっと暑いけど」


碧の言葉に、あたしも頷きながら答える。
そのあと、彼と同じように目を閉じた。


ここは人通りも少なくて、ゆっくりとした時間が流れる。


この世界には、あたしと碧しかいないんじゃないかと思うぐらい静かだけど、人を信じられなくなっているあたしにとってはそれが逆に心地良かった。


目を開けて隣に顔を向ける。


寝そべっている碧は、風が気持ちいいのか少し笑っている。


その横顔が綺麗で、見とれてしまった。



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