青空にさよなら
生まれた思い
学校に行かなくなって2週間。
いつもの川に来ては碧と一日中おしゃべりするという変わらない毎日を過ごしている。
今日はいつもより早く起きて、あたしはキッチンであるものを作っていた。
「そう、それでね、そこにブロッコリーを入れて彩りを良くして……」
隣にいるお母さんからアドバイスを受けながら、言われたとおり小さな丸いハンバーグの横にブロッコリーを入れる。
「あたし、あんまり野菜好きじゃないから入れたくないんだけどなぁ」
「何言ってんの。蒼唯が食べるんじゃないんでしょ?」
お母さんが呆れたように言う。
あたしは「えへ、そうでした」とおどけてみせて、最後に中のおかずが潰れないように丁寧に蓋をかぶせた。
「完成ー!蒼唯の特製手作りお弁当!」
そう、作っていたのはお弁当。
もちろん、碧にあげるためのもの。
実は、碧に助けてもらったお礼がしたいとずっと思っていて一番渡しやすいお菓子にしようかと考えていた。
でも甘い物が苦手だったりしたら困るし、もう少し手が込んだものがいいかなと結局手作りのお弁当を渡すことに。
本当は自分の分のお弁当も作って一緒に食べるつもりだったんだけど、碧の分を作るのに必死すぎて忘れていた。今から作るには、時間も気力もないからさすがに無理。
まあ、でも碧に食べてもらえればそれで充分だ。