青空にさよなら
あたしの好きな碧の笑顔。
碧の優しさがにじみでた温かい笑顔だ。
「ありがとう、蒼唯」
何故かお礼を言われた。
それを少し不思議に思っていると、またあのどことなく寂しそうな笑顔に変わってしまった。
「俺、蒼唯と同じ学校だったら良かったのにな」
碧……。
素直に嬉しく思うと同時に、どことなく懐かしさを感じた。
もう少し小さな頃に、同じことを言われたような気がする。
「蒼唯と一緒の学校だったら、毎日楽しそうだよね」
懐かしさの理由はわからないけど、あたしは、碧と一緒の学校に通って、一緒に勉強をする自分たちを想像するだけで心が舞い上がりそうなくらい嬉しい。
「あたしもっ!碧が一緒なら、どんなにつらいことがあっても大丈夫だと思う!」
その嬉しさを伝えたくて必死で訴えると、碧は目を細めてあたしを見る。
そして、大きな手であたしの頭を撫でた。
「ありがとう。そんなふうに言ってくれて。ほんとにありがとう、蒼唯」
大げさなような気がしたけど、いじめられていた碧にとって、あたしの言葉は何かしら思うところがあったのかもしれない。
でも、それなら、そんな悲しそうな笑顔じゃなくて、さっきみたいなあたしの大好きな笑顔を見せて欲しかったな……。