青空にさよなら
もしかしたら、テストに必死で、あたしに構ってる暇なんてないのかもしれない。
それならとりあえずは安心だ。
でも、一応の為に油断はせずに教室へと歩いていく。
廊下では特に何も起こることなく、無事に自分のクラスの教室にたどり着いた。
深呼吸をして、バッグの取っ手をぎゅっと両手で握り締めた。
大丈夫。あたしはひとりじゃない。
お母さん、澤田先生、美空。
それから……碧がいる。
――ガラッ。
ドアが開く音が予想以上に大きくて、自分で開けたのに心臓が飛び出そうなぐらい驚いた。
そして、クラスメイトたちも、あたしの1ヶ月ぶりの登校に誰もが目を丸くして驚いていた。
「……っ」
一斉に降りかかるみんなの視線をビシビシと感じて、思わず足がすくんでしまう。
あたしの席はどこなんだろう。
というか、残っているんだろうか。
必死に目で探すと、誰も座っていない席を教室の真ん中に見つけた。
よりによって真ん中とは……きつい。
でも、出入口で立ち尽くしているわけにはいかない。あたしは今日、テストを受けに来たんだ。
そう自分に言い聞かせて、突き刺さるような視線を四方八方から浴びながら自分の席についた。