青空にさよなら




席についたあたしは、反射的にあたしをいじめていた中心グループのリーダー清水さんと目が合う。


何か絡まれたりするのかと思いびくっと体を強ばらせてしまったけど、清水さんはそのままあたしから目を逸らしてどこかへ行ってしまった。


――キーンコーンカーンコーン。


「おはようございます」


ガラリとドアが開き、澤田先生が入ってくる。


みんながバラバラと自分の席につき、徐々に静かになっていく教室。


「今日は中間テスト当日です。このあと8時50分からまずは現国のテストがあります……」


連絡事項を生徒に伝える途中で、先生があたしのほうに目を向けた。


先生……あたし来ましたよ。


心の中でそう言うと、テレパシーみたいに伝わったのか、先生が嬉しそうに笑ってくれた。


とりあえず、朝っぱらから清水さんたちに関わることはなかったおかげで、このあとのテストには集中できそうだ。


今日は、現国と日本史と化学のテスト。
理数系が苦手だから化学は少し心配だけど、自分なりに頑張ったのでそこそこ成果を出したいなぁ。


それが終わったら……美空に“ありがとう”って言うんだ。


見守っててね、碧!



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