青空にさよなら





3教科のテストが無事終わった。
今まで不登校だったことを考えると、なかなか良い調子だったんじゃないかと我ながら嬉しくなる。


帰りのSHRも終え、みんなが教室を出て行く。


あたしは帰り支度を済ませると、キョロキョロと美空の姿を探す。
でも、教室の中にはいない。


もしかすると、もう帰っちゃったのかな……。


廊下に出てみて2、3組先まで探してみたけど、美空はどこにもいない。


仕方ない。美空と話をするのは明日にしよう。


そう思って、玄関を出た時だった。


あたしの目の前を、たくさんのペットボトルや缶ジュースを手にした美空が横切っていった。


パタパタと走っていき、体育館の裏のほうへと走っていく。


どうしたんだろう。あんなにたくさんのジュースやらお茶やらを持って、あんなに走って。


あたしは、こっそりと美空のあとを追った。


相当急いでいるらしく、途中飲み物を落としそうになる美空。それに思わずあたしのほうが慌てたけど、なんとか体育館裏にたどり着いた。



「遅いんだけど!!」



そこにたむろしていた女子生徒たちが、美空を見つけるなりそう叫んだので、あたしは何事かと物陰に身を隠して様子を伺った。


なんとなく……嫌な予感がする。



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