青空にさよなら
「ご、ごめんなさい……。あの、これ……」
明らかに怯えた顔の美空が、震える声で飲み物を差し出す。
「皆さんに言われた通りのものを買ってきたんですけど……清水さんのカフェオレだけ学校内の自販機にはなくて……」
それを聞いて、取り巻きを押し退けて清水さんが美空の前にやって来る。
「ふーん。で、結局どうしたの?」
そこに立っているだけでなんて威圧感なんだろう。相変わらず不敵な笑みを常にたたえたこの女は好きじゃない。
美空は、もしかして清水さんのグループの人達たパシリにされているみたい。
いつからなんだろう。あたしが学校に来なくなってからか、それかそれよりももっと前からか……。
「どうしたのかって聞いてんのよ」
「か、代わりに、コーヒーを……」
清水さんにドスの利いた声で促され、美空がカタカタと体を震わせながら缶コーヒーを清水さんに差し出す。
すると、それを見た清水さんは片眉を上げ、少し嫌そうな顔をしながら美空からコーヒーを受け取った。
「私、カフェオレって言ったはずなんだけど?」
「えっと、だからその、自販機になくて……代わりに……」
しどろもどろで美空が答えると、それを聞いてにっこりと笑う清水さん。
その笑顔があまりにも不気味で、あたしは思わず唾を飲む。
すると、次の瞬間。