青空にさよなら
美空と友達になれたその日の帰り。
あたしは嬉しさで胸がいっぱいで、早く碧に会いたくて全速力で走って行った。
「碧ーっ!!」
土手でたそがれている碧の姿を見つけて、あたしは大声で名前を呼びながら駆け寄る。
碧はあたしの呼びかけに気づいて振り返ると、いつものほんわかとした笑顔を向けてくれた。
「おかえり、蒼唯」
「ただいま、碧!」
碧の隣に腰をおろし、息を整える。
あたしの呼吸が落ち着いたのを見計らってから、碧が口を開いた。
「どうだった?学校」
「テストはなかなかの出来だと思うよ!それでねそれでね、美空と友達になった!」
あたしの言葉に碧が目を丸くする。
「美空ちゃんと?」と聞き返してきた碧に、あたしは事の経緯を説明した。
あたしがいなくなった為にまた美空がいじめられていたこと。美空があたしのことを庇ってくれたこと。あたしが美空を助けたこと。美空が謝ってきてくれて、あたしもノートのお礼を言ったこと。
全部を話し終えると、穏やかな表情で聞いていた碧が、さらに目尻を下げて微笑んだ。
「よかったね、蒼唯。本当によかった」
心底安心したのか、安堵の息をつきながらしきりによかったと繰り返す碧。