僕らはただ、恋がしたい





「あーあ、もっとちゃんと話したかったなー」



テレビに向かいコントローラーを握る景山は小1時間ぐらい同じ文句を繰り返している。


「藤田さんもタイミング悪すぎなんですよ。あんな絶妙なタイミングで呼び戻さなくても」

「仕方ないだろ。仕事なんだから」

「ちぇっ」



拗ねた子供のように唇を突きだす景山を横目に俺はコーヒーをすする。





景山が茅沙の名前を聞き出した直後、秘書部に藤田さんがやってきて所属フロアに連れ戻された。


今朝言っていた通り俺は会議に必要なかったみたいだが、どうやら女性社員が景山を恋バナに加えたいと言い出したらしい。



そのまま今の今までぶっ通しで会議。


疲れきった景山を休ませてやれと言われたので娯楽フロアに案内した。


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