私の好きだった人。
「うちはいいや!撮るのは好きだけど写るのはあんまり好きじゃないんだ~」
「そーなんだ」
幸樹はそう言ってシャッターを押した。
「あ、次で最後だ」
そう言って私に枚数を確認できるところを見せてきた。
「うそっ!彰のやつ、何枚写真撮ってんだよ!」
幸樹からカメラを受け取って文句を言う。
「次、うち撮るから、幸樹も入りなよ」
私が言うと幸樹は皆のとこに歩いていった。
私、もしこの時、幸樹が歩いていかなければ、このまま幸樹を好きになってたと思う。
幸樹が歩いていかなければ、佑真を好きにはならなかった気がする。
―カシャッ
幸樹が皆と話始めた頃、私はシャッターを押した。