熱帯夜
彼は遅刻どころか、一時間も早くに待ち合わせ場所へ来た。
一本早い電車に乗ってしまい、三十分前に着いてしまった。
彼の次に来た事になる。
「何だ先輩、超はりきってるじゃないっすかー!」
「予定より早くに着いただけ!」
「いやー俺全然寝れなくて、一時間前に来ちゃいましたー(笑)」
話は噛み合っていないわ、どんな理由?!と突っ込みたくなったけど、やめておいた。
服装は意外とチャラくはなかった。
小さなドクロの刺繍の入っているTシャツに、ヴィンテージ物なのか、良い色合いのデニム。紺色のオックスフォードシューズの組み合わせで、好印象だった。
いつもより爽やかに見えるとは…
ファッションは奥が深い。
身に付ける物でこんなにも変わるなんて。