熱帯夜

「うんうん、そうだよ」

「そっか…」

「だから今も、休養してみたら?」

「うん…考えてみるね」

「私も相談に乗るし、大丈夫だよ!」

「ありがとう…」

「良いの良いの、気にしない気にしない」


本当に嬉しかった。

私の異変にもすぐに気が付いてくれて、心の手当てをしてくれた。


だけど……


私は気付いてあげられなかった。



あんなにも、苦しんでいたのに。


少しも……


気付いてあげられなかった。




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