樹海を泳ぐイルカ
透子…


どうして?

感情を残した死骸のような僕を捨ててしまわないの?




「彼方に生きてる理由がないんだったら、あんたらにもないんだよ!!!!」



消えかかりそうな意識のなかで僕は光をみた。



きっと、いつか夢で見たあの光だ。




「ハハハ!!お前、自分が女だってこと忘れてない?男の俺らに勝てるはずないよなぁ?」

「俺らの相手してくれんの?」

「じゃあ遠慮なくヤッちゃいまーす!」


「嫌!放して!放せよ!」

「あんま抵抗すんなって」



中谷が透子の上にまたがった。




「いやぁぁあぁあぁ!!!!!弘樹ぃぃぃ!!!」






透子の叫び声が闇に響いた。
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