樹海を泳ぐイルカ


音のない世界にいるみたいだった。



すべてがスローモーションのような動きで

混沌とする意識。


口はまだ血の味がする。


母さんが僕にしがみつき泣きわめいているが、それすらも現実味がなかった。


海のなかに




いるみたいだった。




< 115 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop