樹海を泳ぐイルカ


裸足で家を飛び出し、行くあてもなく走った。


どこでも行けるような気がしたし

どこにも行けないような気がした。


風をきり、走り抜ける。



紫色の空を見上げてその広大さに泣きたくなった。


田園の緑がキラキラ光って眩しかった。




僕は、生きている。




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